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2026.05.14

IT人材不足が中小企業にもたらすリスクとは?今すぐ取り組める対策・外部サポート選定のポイント

  「ITに詳しい人がいない」「採用しようとしても人が来ない」「システムのことは全部一人に任せているが、もし辞められたら会社のシステムがブラックボックス化してしまう」 ——こうした悩みを抱えている中小企業の経営者・ご担当者は少なくないでしょう。

ここでは、IT人材不足の現状とその背景を整理したうえで、中小企業がすぐに取り組める対策を解説します。

 

目次
  1. IT人材不足の現状|データで見る深刻さ
  2. なぜ中小企業はIT人材を確保しにくいのか
  3. IT人材不足が引き起こす具体的なリスク
  4. 中小企業が取れるIT人材不足への4つの対策
  5. IT人材不足を解決するためのポイント
  6. 外部のITサポートを選ぶ際のポイント
  7. IT人材不足の悩みは、外部の力で解決できる
  8. IT人材不足でお困りの方へ

IT人材不足の現状|データで見る深刻さ

IT人材不足は、中小企業だけの問題ではありません。日本全体で構造的に深刻化しており、国が試算を行うほどの社会課題になっています。まずは現状を数字で確認しておきましょう。

2030年には最大79万人不足——経産省が示す試算の深刻さ

経済産業省が2019年4月に発表した「IT人材需給に関する調査」(リンク)では、2030年時点におけるIT人材の需給ギャップが試算されています。IT関連市場の需要が年平均4.4%のペースで成長する「高位シナリオ」のもとでは、2030年のIT人材需要は約192万人に達する一方、供給は約113万人にとどまり、その差は最大約79万人に上るとされています。

需要と供給の差(需給ギャップ)はすでに2018年時点で約22万人に達しており、2020年には約30万人、2025年には約36万人、そして2030年には約45万人(中位シナリオ)と、年を追うごとに拡大していく見通しです。

一人情シス・兼業情シスが多数派という現実

社内にIT担当者がいる企業でも、その実態は必ずしも盤石ではありません。IT担当者が社内に1名しかおらず、PCの設定・トラブル対応・社内システムの管理・ベンダーとの調整・セキュリティ対策といった業務のすべてをその1人が担っている「一人情シス」が多数派です。IT担当を本来の業務(総務・経理・営業など)と兼務しながら対応している「兼業情シス」の存在も多くみられます。

こうした体制では、担当者に業務が集中しすぎるリスクが常につきまといます。日常的なヘルプデスク対応をこなしながら、障害発生時には即時対応し、ベンダーとの折衝も担うとなれば、業務負荷は相当なものになります。

そして最も見落とされがちなリスクが、「担当者が退職・異動した際に業務が回らなくなる」という属人化の問題です。IT業務が特定の1人に集中している状態では、その人が抜けた途端にシステムの構成も設定の経緯も誰もわからない、という深刻な事態に陥ります。

 

情シス業務効率化の具体的な方法。一人情シスの負荷を軽減

 

なぜ中小企業はIT人材を確保しにくいのか

 

中小企業のIT人材確保が難航する背景には、給与水準・育成環境・地域格差という3つの構造的な壁があります。そもそも良い人材がおらず、見つかったとしても条件で大手企業に負けてしまい、採用までこぎつけても十分な教育ができないのが問題です。

大手との給与・待遇格差が採用の壁になる

IT人材の採用市場では、企業規模による待遇格差が深刻です。ITエンジニアの平均年収は600万円前後ともいわれており、大手IT企業やメガベンチャーではさらに高い水準を提示するケースも珍しくありません。一方、中小企業が提示できる年収は400万〜450万円程度にとどまることが多く、同じポジションでも150万〜200万円規模の差が生じることがあります。

給与だけの問題ではありません。大手企業やIT企業が提供するフルリモート勤務・フレックスタイム制・充実した福利厚生は、金銭面とは別の魅力として求職者の判断に大きく影響しています。「給与は多少低くても環境がよければ」と考えるIT人材にとって、そうした非金銭的な待遇面でも中小企業は不利な立場に置かれがちです。

育成する余裕がない・育成しても流出してしまう

「採用が難しいなら育てればよい」という発想は自然ですが、中小企業にとってIT人材の育成はもう一つのハードルとなっています。IT研修や資格取得支援には一人当たり数十万円の費用がかかることもあり、予算が限られる中小企業には大きな負担です。研修期間中は実務の戦力にならないため、少人数で業務を回している職場ほど現場への影響が出やすくなります。

さらに根の深い問題として、OJT(職場内訓練)を担える上位人材自体が社内にいないというケースがあります。たとえIT知識のある人材を採用・育成しようとしても、教える側の人間がいなければ教育の仕組みを作ること自体が困難です。

また、時間とコストをかけてなんとか人材を育て上げたとしても、数年で転職してしまうリスクも常につきまといます。IT業界は人材流動性が高く、スキルが上がるほど待遇の良い企業へのステップアップを選ぶ傾向があるため「育てれば育てるほど辞められやすい」という皮肉な状況に陥ることも少なくありません。

IT人材の都市集中と地方・中小企業への影響

IT人材の地理的な偏在も、中小企業の採用を難しくしている要因の一つです。国内のIT人材の多くは東京近郊に集中しており、大阪・名古屋などの大都市圏を除くと、地方ではIT系の求職者そのものの母数が少ない状態にあります。

もっとも、コロナ禍を経てテレワークが普及したことで、遠隔地での採用も不可能ではありません。しかしこれは、地方の中小企業にとって必ずしも追い風とは言えないところです。リモートで勤務できるなら、給与水準や福利厚生の充実した大手企業をあえて選ぶIT人材が増えているからです。

 

IT人材不足が引き起こす具体的なリスク

IT人材がいない・足りないという状況は、単なる「人手不足」にとどまりません。放置すれば、業務の停止、セキュリティ事故、競争力の低下という3つのリスクが現実のものとなります。

システム障害・トラブル対応の遅延

社内にITの知識を持つ担当者がいない状況で、システム障害や機器トラブルが発生した場合、どうなるでしょうか。問題が起きても、対応できる人間がいなければ、その間ずっと業務が止まり続けます。顧客への連絡ができない、受発注システムが動かないといった事態は、取引先からの信頼を損なう直接的な原因にもなります。

また、IT担当がいない・少ない職場では、問題が起きるたびに応急処置だけで対応し、根本的な原因を解消しないまま「とりあえず動いているからいい」という運用が常態化しがちです。こうした「後回し運用」が積み重なると、システムは老朽化し、いつか重大な障害を引き起こします。

サイバーセキュリティの脆弱化

IT管理が手薄な企業は、サイバー攻撃者にとって格好の標的となります。近年、大企業の取引先や下請け企業を経由してサプライチェーン全体を狙う攻撃が増えており、中小企業だからといって無縁ではいられません。警察庁の発表によると、ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)による被害は中小企業でも増加傾向にあり、業種を問わず被害報告が出ています。

セキュリティリスクを高める大きな原因の一つが、OSやソフトウェアのアップデート・セキュリティパッチ(脆弱性を修正するプログラム)の未適用です。IT担当が不在または多忙な環境では、これらの対応が後回しになりやすく、古い脆弱性をついた攻撃を受けるリスクが高まります。

DX・業務効率化が進まず競争力が低下する

DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組みたいと考えていても、IT人材がいなければ、その計画は会議室の議題のまま止まり続けます。ツールの選定・導入・社内展開を担う人材がいないため「検討中」が何年も続くという状況は珍しくありません。その間にも、競合他社はデジタル化によって業務効率を上げ、コストを下げ、顧客対応スピードを高めて、競争力を高めています。

手作業やアナログ業務が温存されれば、ミスや手戻りのコストが積み重なり、従業員の負担も増し続けます。さらに見落とされがちなのが、DX遅延が採用・人材定着にも影響を与えるという点です。「この会社はデジタル化が遅れている」という印象は、特に若い世代の求職者に敬遠される理由になりえます。

IT人材が不足しているからDXが進まない、DXが進まないからIT人材に選ばれない——こうした悪循環に陥ると、競争力の回復はますます困難になっていきます。

 

中小企業が取れるIT人材不足への4つの対策

 

IT人材不足への対策は、採用だけが答えではありません。社内育成・ツール活用・外部人材の活用・アウトソーシングと、目的や状況に応じた複数の手段があります。

社内人材のリスキリング・IT研修を実施する

リスキリングとは、既存の社員が新たな職務・分野に必要なスキルを習得することを指します。 具体的には、クラウドサービスの活用、セキュリティの基礎知識の習得、Excelやデータ分析ツールを使った業務改善など「いまの仕事に直結するITスキル」を身につけることから始められます。

費用面でのハードルについては、国や自治体の支援制度を活用することで大幅に軽減できます。リスキリングの手段でも、費用のかかる外部研修機関以外に、UdemyやYouTubeなどの動画学習サービス、社内勉強会など、低コストで始められるものが多くあります。

リスキリングを機能させるうえで欠かせないのが、業務と直結したテーマの設定と経営者・上長のコミットです。学習内容が実務と離れていると、研修後に活用される場面がなく形骸化しやすくなります。また、現場の社員だけに任せるのではなく、経営者が「この学びは会社として必要なものだ」と示すことが、継続的な取り組みにつながります。

ITツール導入による業務の自動化・省人化を進める

IT人材の確保と並行して取り組めるのが、ITツールを導入して自動化・省人化を進める方法です。たとえばRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を使えば、毎日繰り返している定型的なデータ入力や集計作業を自動化できます。人手に依存していた業務量を減らすことで、既存の少ない人員でも回せる体制に近づけることができます。

近年は、初期費用の少ないクラウド型(SaaS)のサービスが充実しており、中小企業でも導入しやすい環境が整っています。勤怠管理・経費精算・給与計算・社内チャットなど、業務の種類ごとに使いやすいサービスが揃っており、専門的なITの知識がなくても運用できるものが増えています。

ただし、ツールを入れただけでは定着しないケースが多いのも事実です。社内に推進役となる担当者を設け、使い方のサポートや利用状況の確認を継続的に行う仕組みが、ツール活用の成否を左右します。

フリーランス・副業人材を活用する

正社員としてIT人材を雇用することが難しい場合、フリーランスや副業エンジニアの活用という選択肢があります。近年はIT系の専門人材と企業をつなぐマッチングサービスが充実しており、必要なスキルを持つ人材を比較的短期間で見つけられるようになっています。正社員採用に比べて人件費を抑えられるうえ、プロジェクト単位や必要な時期だけの契約もできるため、中小企業にとって柔軟に活用しやすいモデルです。

一方で、注意が必要な点もあります。外部の人材に業務を委託する際は、機密情報や顧客データへのアクセス権限の管理・秘密保持契約(NDA)の締結・業務範囲の明確化が不可欠です。情報セキュリティと契約面の整備を行ったうえで活用することが、トラブルを防ぐための基本です。

アウトソーシング・外部ITサポートを活用する

日常的なIT業務をまるごと外部に任せたい場合は、ITアウトソーシング(外部委託)の活用が有効です。対応範囲はヘルプデスク(社員からのIT問い合わせ対応)、PC・ネットワーク機器の管理・保守、セキュリティ対策、システムベンダーとの調整業務など、多岐にわたります。IT担当者が社内にいなくても、専門会社が代わりに日常的なIT業務を担ってくれる仕組みです。

コスト面では、社内にIT担当者を1名雇用する場合の年間人件費と比較して、アウトソーシング費用のほうが低く抑えられるケースがあります。専任担当者を置いた場合でも対応しきれない高度な案件や急なトラブルにも、採用する場合より安く対応してもらえる可能性があります。

 

中小企業の情シス・IT部門をアウトソーシングするメリットと成功のポイント

 

IT人材不足を解決するためのポイント

対策の方向性が見えてきたとしても、何から手をつければよいかわからないという方は多いはずです。ここでは、実際に動き出すための3つの実践ポイントを整理します。

社内リソースの現状を棚卸しする

まず取り組むべきは、現在社内でどのようなIT関連業務が発生しており、誰がそれを担っているかを洗い出す作業です。

棚卸しを進める際は、業務の種類・担当者名・対応頻度・かかっている時間をシンプルにまとめた一覧表(棚卸しシート)を活用すると整理しやすくなります。このシートを作ることで、「この業務は本来外部に任せた方が効率的だ」「この作業はツールで自動化できる」という判断がしやすくなります。

棚卸しは経営者・人事・現場担当者が連携して行うことが重要で、それぞれの視点から情報を持ち寄ることで、実態に即した全体像が見えてきます。

抱えている社内課題に優先順位をつける

棚卸しで課題の全体像が見えたら、次はその課題に優先順位をつけます。おすすめの方法は「緊急度×重要度」のマトリクスで課題を分類することです。緊急かつ重要なものから着手し、緊急ではないが重要なものは計画的に取り組むよう仕分けるだけで、限られたリソースをどこに集中させるべきかが明確になります。

優先度が高い課題として多くの企業で共通するのが、セキュリティリスクへの対応と業務継続性の確保です。システム障害時の対応手順が決まっていない、ウイルス対策ソフトが古いまま放置されているといった状況は、今すぐ対処が必要な「緊急かつ重要」な課題といえます。

一方、DX推進やIT人材の育成は重要ではあるものの、成果が出るまでに時間がかかる中長期の取り組みです。

こうした切り分けをすることで「焦って効果の薄い投資をしてしまう」リスクを避けながら、着実に前進できます。

採用活動や外注はコストと効果のバランスで比較する

IT人材の確保手段を選ぶ際には、コストだけでなく「何がどこまでカバーされるか」という対応範囲も合わせて比較することが重要です。主な選択肢のコスト構造は以下のとおりです。

 

手段 主なコスト 対応範囲 柔軟性
正社員採用 年600万円〜(人件費・教育費含む) 広範囲・長期継続 低(採用・離職リスクあり)
派遣社員 月40万〜60万円程度 業務範囲を限定しやすい 中(契約更新単位)
業務委託(フリーランス) プロジェクト単位・時間単価 専門分野に特化 高(必要な時だけ依頼)
ITアウトソーシング 月5万〜20万円程度(内容による) 日常IT業務を包括的にカバー 中〜高(契約内容で調整可)

費用を基準に選ぶと、対応品質が低い・セキュリティ体制が不十分・障害時に対応してもらえないといった問題が後から浮上することがあります。特に情報セキュリティに関わる業務を委託する場合は、委託先のセキュリティ管理体制を確認することが不可欠です。

IT投資を判断する際には、ROI(投資対効果)の視点も役立ちます。「この投資によって、どのくらいの業務時間が削減されるか」「障害対応にかかっていたコストがどれだけ減るか」を大まかに試算するだけでも、投資判断の根拠が明確になります。

 

外部のITサポートを選ぶ際のポイント

外部ITサポートは数多くあり、サービス内容や品質はまちまちです。「とりあえず安いところ」で選んで後悔しないよう、契約前に確認しておくべき3つのポイントを押さえておきましょう。

対応範囲(ヘルプデスク・機器選定・セキュリティ等)を確認する

外部ITサポートを選ぶ際にまず確認すべきなのは対応範囲です。

一口にITサポートといっても、社員からの問い合わせに答えるヘルプデスク、PCのセットアップ(キッティング)、ネットワーク機器の管理・保守、セキュリティ対策、クラウドサービスの導入支援など、カバーする領域はサービスによって大きく異なります。自社が必要としている業務が契約の対象に含まれているか事前に確認しましょう。

リモート対応と現地対応の両方に対応しているか確認する

近年のITサポートでは、画面共有や遠隔操作ツールを使ったリモートサポートが一般的になっています。ソフトウェアの設定ミス、メールが届かないなどのトラブルはリモートで迅速に解決できることが多く、移動時間なしにすぐ対応してもらえる利便性は大きなメリットです。一方で、PCが起動しない、LANケーブルが断線した、複合機の設定が必要といったケースは、実際に現地に来てもらわなければ対応できません。

そのため、リモートと現地(オンサイト)の両方に対応できる「ハイブリッド型」のサポートを提供しているかどうかが、サービス選定の重要な条件となります。リモートのみ対応のサービスでは、現地対応が必要な場面で別途業者を手配しなければならず、かえって手間がかかることがあります。

また、複数拠点を持つ企業や地方に事業所がある企業の場合は、対応エリアが自社の拠点をカバーしているかも必ず確認してください。

中小企業の実態を理解しているパートナーかどうか

ITサポート会社の中には、大企業向けのサービスをそのまま中小企業に提供しているケースがあります。提案内容が自社の規模に見合わないほど大がかりだったり、料金体系が大企業を前提とした高額なものだったりすると、中小企業のリアルな予算感やニーズとかみ合いません。中小企業の支援実績が豊富で、導入事例を公開しているかどうかは、サービス選定の際の大切な判断材料です。

中小企業の実態への理解度を推し量る基準として、コミュニケーションの取りやすさも重要です。IT担当者がいない中小企業では、担当者が専門用語をわかりやすく言い換えて説明してくれるかどうか、こちらの状況を丁寧にヒアリングしてくれるかが、日々の運用に大きく影響します。

 

IT人材不足の悩みは、外部の力で解決できる

IT人材の採用は困難で、育成には時間とコストがかかり、地方や中小企業ほど不利な状況に置かれています。一方で、社内にIT人材がいなくても、外部の力をうまく活用することで、多くの課題は解決できます。

タスネットでは、PCやサーバーの管理・トラブル対応・セキュリティ対策など、日常的なIT業務の一括サポートを提供しています。「何から始めたらいいかわからない」という段階からでも、まずは気軽にご相談ください。

 

IT人材不足でお困りの方へ

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タスネットでは、お客様の状況に合わせた柔軟なITサポートサービスを提供しています。IT人材の外部アウトソーシングに関するお悩みは、ぜひ一度私たちにご相談ください。

 

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