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オフィスITのお役立ちコラム

2025.01.11

【準備はお済ですか?】Windows 11への移行における注意点と対策

 

Windows 10のサポート期限終了が迫る中、企業のIT担当者はWindows 11への移行を検討する段階に入っています。しかし、システム要件の確認や互換性の問題など、移行にあたって注意すべきポイントは少なくありません。

本記事では、Windows 11への移行を成功させるために必要な準備や注意点、対策について詳しく解説します。スムーズな移行のためのポイントを押さえていきましょう。

Windows 10のサポート終了について

Microsoftは、Windows 10のサポートを2025年10月14日に終了することを発表しました。サポート終了後はセキュリティアップデートが提供されなくなり、マルウェアや不正アクセスなどのセキュリティリスクが高まることになります。企業にとって、この期限までにWindows 11への移行を完了させることは重要な課題となっています。

Windows 10の最終バージョンとなる22H2以降、新たな機能の追加は行われません。サポート終了後は、セキュリティホールの修正プログラムも提供されなくなるため、情報漏洩などのトラブルが発生するリスクが高まります。なお、バージョン21H2以前のWindows 10を使用している場合は、すでにサポートが終了しているため、早急なアップデートが必要です。

参考:Windows 10、Version 22H2 のサポート終了日の更新(Microsoft Learn Challenge)

Windows 7のサポート終了時には、約3割の企業が移行せずに旧OSの利用を続けています。その結果、買い換え需要の集中が企業のIT予算を圧迫したり、深刻なセキュリティリスクが発生したりするなど、混乱が生じるケースもありました。同様の事態を避けるため、Windows 11への移行は計画的に進める必要があります。

参考:Windows 7サポート終了でも3割以上のPCが移行漏れか、IDC Japanが調査(日経クロステック)

Windows 10を使い続けるリスク

サポート終了後もWindows 10を使い続けることは、一時的には可能です。 しかし、セキュリティアップデートの停止により、深刻なリスクにさらされることになります。以下のような問題の回避にあたっては、余裕をもった計画的な移行が重要だと言えます。

サポート期間中、Microsoftは定期的にセキュリティアップデートを提供し、新たに発見された脆弱性に対する対策を行っています。しかし、サポート終了後はこれらの更新プログラムが提供されなくなります。つまり、新しい脆弱性が発見されても修正されることはなく、その脆弱性を狙った攻撃に対して無防備な状態となってしまいます。

セキュリティ更新プログラムの停止は、マルウェアや不正アクセスのリスクを著しく高めます。サイバー攻撃者は、修正されない脆弱性を標的として、新たな攻撃手法を開発し続けます。結果として、ウイルス感染や情報漏洩、ランサムウェア被害など、深刻なセキュリティインシデントが発生しかねません。とくに企業の機密情報を扱うPCでは、こうしたリスクは看過できないものと言えます。

ソフトウェアベンダーは、最新のOSに合わせて製品開発を進めています。Windows 10のサポート終了後は、新しいソフトウェアやアプリケーションがWindows 10に対応しなくなる可能性が大きくなるでしょう。これは業務効率の低下を招くだけでなく、重要なセキュリティ機能を持つソフトウェアが利用できなくなることで、さらなるセキュリティリスクにつながる恐れがあります。

サポート終了後は、Windows 10自体の不具合や動作の問題が修正されなくなります。時間の経過とともに、システムの安定性は徐々に低下し、予期せぬエラーやクラッシュが起こる回数が増加します。これは業務の中断や生産性の低下を引き起こすだけでなく、最悪の場合、データの損失やシステムの復旧不能といった深刻な事態を招きかねません。

Windows 11移行前の重要チェックポイント

Windows 11への移行を成功させるためには、事前の準備と確認が不可欠です。とくに企業環境では、システム要件の確認だけでなく、業務への影響を慎重に評価する必要があります。

ここでは、移行前に必ず確認すべき重要なチェックポイントについて解説します。これらの項目を丁寧に確認することで、スムーズな移行が可能となります。

Windows 11は、Windows 10と比較してより高いシステム要件が設定されています。MicrosoftはPC正常性チェックアプリを提供しており、このツールを使用することで、使用中のPCがWindows 11に対応しているかを自動で判定可能です。システム要件を満たさないPCの場合、公式にはアップグレードができないため、PCの買い替えを検討する必要があります。

  • プロセッサ要件(1GHz以上、2コア以上、64ビット対応)
  • メモリ要件(4GB以上)
  • ストレージ要件(64GB以上)
  • TPM 2.0対応
  • セキュアブート対応
  • グラフィックス要件(DirectX 12対応)

参考:Windows 11 のシステム要件(Microsoftサポート)

Windows 11への移行は、企業の業務システムやアプリケーションに大きな影響を与える可能性があります。とくに社内で独自に開発したシステムや、古いバージョンのソフトウェアについては、Windows 11での動作確認が必要です。また、プリンターや複合機などの周辺機器についても、Windows 11対応のドライバーが提供されているか確認が必要です。

OS移行にあたってのチェック項目
  • 社内システムとの互換性確認
  • 業務用アプリケーションの動作確認
  • 周辺機器の対応状況確認
  • バックアップ計画の策定

Windows 11アップグレード時の注意点

システム要件を満たしていることを確認できたら、次はアップグレード作業における具体的な注意点を把握しましょう。Windows 11では、機能の変更や削除、UIの刷新など、さまざまな変更が加えられています。

ここでは、アップグレード時に注意すべきポイントと、円滑な移行のために必要な準備について詳しく解説します。

Windows 11では、Internet Explorer 11やSnip and Sketch、タブレットモード、タイムラインなど、Windows 10で使用できた機能の一部が削除されています。また、スタートメニューの配置変更やタスクバーの仕様変更など、UIも大きく刷新されました。これらの変更は業務効率に影響を与える可能性があるため、事前に代替手段を検討し、必要に応じてユーザーへの教育を計画する必要があります。

  • 削除される機能の確認(Internet Explorer等)
  • UIの変更点と業務への影響
  • 代替ソリューションの検討

Windows 11では、セキュリティ機能が大幅に強化されています。TPM 2.0の必須化や、パスワードレス認証の採用など、新しいセキュリティ機能への対応が求められます。これらの変更により、既存のセキュリティポリシーや認証方法の見直しが必要になるでしょう。また、データ保護機能の設定も、従来とは異なる部分がある点に注意が必要です。

  • セキュリティ強化による影響確認
  • パスワード管理方法の変更点
  • データ保護機能の確認

Windows 11へのアップグレードには、一定の時間とストレージ容量が必要です。インストール作業は1台あたり1時間から2時間程度かかることが一般的で、状況によってはそれ以上の時間を要する場合もあります。作業中の予期せぬ問題を防ぐため、十分な空き容量の確保や、安定した電源供給、ネットワーク環境の整備が重要です。また、万が一の場合に備えたデータバックアップは必須となります。

  • 十分な空き容量の確保
  • インストール所要時間の考慮
  • 電源管理とネットワーク接続の確保
  • データバックアップの実施

企業におけるWindows 11移行計画のポイント

企業全体でのWindows 11への移行は、慎重な計画と実行が求められます。とくにPCの台数が多い場合、一斉移行によるリスクを避けるため、段階的なアプローチが推奨されます。

ここで解説するのは、企業におけるWindows 11移行を成功に導くための計画立案のポイントと、移行後の運用体制の整備です。

■段階的なWindows 11移行計画

大規模な移行プロジェクトを成功させるためには、段階的なアプローチが重要です。まずはテスト環境で検証を行い、システムやアプリケーションの互換性を確認しましょう。その後、一部の部門でパイロット運用を実施し、実際の業務環境での問題点を洗い出します。これらの結果を踏まえて、部門ごとの展開計画を策定し、トラブル発生時の対応体制を整えた上で、本格的な移行を進めていきます。

  • テスト環境での検証
  • パイロット運用の実施
  • 部門ごとの展開計画
  • トラブル対応体制の整備

移行完了後も、安定した業務継続のためには適切な運用体制の整備が欠かせません。ユーザーからの問い合わせに迅速に対応できるサポート体制を確立し、発生し得るトラブルに対する対応手順を明確化します。また、Windows 11は定期的な更新プログラムの適用が必要となるため、計画的な更新管理体制の構築も重要なポイントです。

  • ユーザーサポート体制の確立
  • トラブルシューティング手順の整備
  • 定期的な更新プログラムの管理計画

まとめ

Windows 11への移行は、2025年10月のWindows 10サポート終了までに完了させる必要がある重要な課題です。移行を成功させるためには、システム要件の確認から、アプリケーションの互換性検証、段階的な展開計画の立案まで、多岐にわたる準備が必要となります。とくに企業環境では、業務への影響を最小限に抑えながら、確実な移行を実現することが求められます。

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